なぜ伸び悩むのでしょうか
洋服のリフォームと、靴、バッグのリペアは、社会環境の追い風に恵まれて、日本各地で非常に話題になっていることは、テレビや新間などの報道でご承知と思います。しかし、その社会的な意義の大きさと、関心の高さの割に、伸び悩んでいるのもこの事業の大きな特徴です。なぜでしようか。
寸法直しは、今まで家庭の主婦の内職で支えられてきました。町のリフォームショップもまた、小規模な家内工業的なところがほとんどで、本格的事業としてのリフォーム業はほとんど手付かずの未開拓地です。大手スーパーが展開しているリフォームショップも、中身を見てみると、家内工業の寄せ集めにすぎず、一店舗一店舗の実情は非常に貧弱なものといわざるを得ません。一方、リフォーム業と一見似た形態に、業者相手の寸法直し業があります。デパート、スーパーなどと提携して、販売品の寸法直しを請け負うものですが、こちらのほうは、組んだ相手次第。中にはかなり大きな規模のところも見受けられます。しかし、しょせん寸法直しの経費はデパートやスーパーにとってはないに越したことはないものにしか過ぎません。長引く不況のもとで、加工代金は安くたたかれ、自社で現状を打開することすら出来ません。
靴の流通センターなど、使い捨ての安い靴が主流の時代が長すぎました。今の日本人に靴を直して履くという習慣はありません。靴を直す人は100人のうち3人程度だと言う見方もあるほどです。加えて、靴修理店は数が圧倒的に少なく、靴修理業界自体、体質は古く、若い優秀な人材が希望を持って飛び込めるような土壌は一切ありません。一方で、社会の変化と共に、足にあった上質な靴を履きたい、靴を直したいという、潜在需要は急速に広まっているのも事実です。その膨大な潜在需要を掘り起こす作業を業界はどれだけしてきたか。あいも変わらず、ぶっちょうずらした職人と称する人間が無愛想に応対していたのでは伸びようがありません。バックの修理に至っては、気軽に直せる場所は皆無と言っていいほどです。デパートヘセカンドバックのファスナー替えを持っていくと、3ヶ月かかって、15,000円します。これでは直さずに新しいものを買えといっているのと同じことです。この業界もまた、事業と呼べる段階からは、程遠いものがあります。